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右岸便り

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「排除します!」──その①

10月の総選挙を前にした民進党の希望の党への合流と、選挙による希望の党と立憲民主党の盛衰には、マスコミのみならずネット情報空間においても喧しいものがあった。一つ前のブログで「民進党の代表選」を取り上げ、前原誠司の過去の数限りない失態を列挙するとともに、経歴、政策、米国軍産複合体のシンクタンクでありジャパン・ハンドラーズの牙城であるCSIS(米戦略国際問題研究所)との関係を述べた。その上で、前原は彼同様にCSISのマリオネット(操り人形)である小池百合子が立ち上げた新党へ合流するよう指図されて実行し、民進党は分裂すると記した。現実はこの予想どおりの展開となった。
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そのブログは民進党の代表選運動の真っ最中にアップしたもので、その数日後に有楽町イトシア前で、最後の街頭演説会が前原誠司と枝野幸男の二人によって行われるというので視聴しに出掛けた。8月28日、月曜日の午後4時からの開始にしては予想以上の聴衆が集まり盛り上がりを見せていた。それが終わって帰ろうとすると、元・小沢一郎支援女子会の中心人物に出遭った。筆者のブログを読んだのかもしれない、話があるのでお茶でもと誘われ、小1時間ほど話し込んだ。
彼女が言うには、前原は小沢一郎とともに政権交代を目指している。民進党、自由党、社民党の3党が合流して選挙政党オリーブの木をつくり、比例統一名簿を作成して共産党とは選挙協力をする。そして小沢自身はその選挙政党で枢要な地位を得て活躍するはずだと。それに対して筆者は、CSISが前原の背後で糸を引いているのでそのようなことにはならないだろうと言うと、彼女は筆者の言うことが正しければ小沢は裏切られるのかと訊くので、多分そうなるだろうと言って別れた。
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政党の離合集散の核となる部分の多くは密室で行われ表には出にくく、輪郭を現してくるのは何日も経ってからだ。衆議院選挙の投票から1ヶ月余りが経ってわかっている範囲で、主なイベントを記すと
民進党の代表選、前原誠司が代表に…………………………9/1
民進、自由、社民の合流のための会合が流れる……………9/17
安倍首相が28日招集の臨時国会での冒頭解散を表明……9/25
小池、希望の党を立ち上げ自ら代表に就くと発表…………9/25
小池、前原、深夜の密会 民進の希望への合流合意………9/26
希望の党の結党記者会見………………………………………9/27
衆院解散、総選挙へ 10月10日公示-22日投開票……9/28
民進党の両院議員総会、前原が希望への合流を提案了承…9/28
自由党の小沢、希望の党との合流の考えを示す……………9/28
小池、排除の論理を鮮明に……………………………………9/29
希望への合流を望まない者に民進の公認、前原が拒否…10/1
枝野、福山、長妻ら党本部で深夜まで話し合い…………10/1
希望の党の「踏み絵」協定書の最終案が判明……………10/2
立憲民主党の結党記者会見(設立は3日)………………10/2
衆議院選公示…………………………………………………10/10
衆議院選挙……………………………………………………10/22
ここで目を引くのが、9月26日の小池百合子と前原誠司の深夜の密会だろう。前日の25日に首相の安倍晋三が記者会見し、28日招集の臨時国会冒頭で衆議院を解散すると表明したのを受けての会談である。そこで前原は民進党の100億円超の資金や党職員の提供を申し出たが小池は断り、そして注文をつけた。「全員(の合流)は困る。私は、憲法と安全保障は絶対に譲れません」「護憲の方はご遠慮願いたい」と言う小池に、前原は「それは当たり前。ウチにも護憲なんているかどうか……」と応じた。そこには連合の神津里季生も同席していた。
小池、前原、深夜の密談9/26(朝日新聞DIGITAL 11/19)
http://www.asahi.com/articles/ASKCJ5F9FKCJUTFK013.html
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にもかかわらず2日後の28日、民進党の両院議員総会では、希望の党への合流にあたって「憲法違反の安保法制はダメでしょ」「排除することではない」と前原は言い、小池に対する返答とはまったく反対のことを述べている。
民進党の前原代表、希望との合流提案 両院議員総会で9/28(毎日新聞)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170928/k00/00e/010/251000c
「前原のクーデターだ」長妻、枝野らに結党を主張9/30(朝日新聞11/21)
http://www.asahi.com/articles/ASKCN43HTKCNUTFK00B.html?iref=pc_extlink
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小沢一郎は、民進、自由、社民の3党合流プラス共産の協力で選挙を勝ち抜き、政権交代を実現しようと画策する一方で、小池とは昨秋から何度か会談を持ち、新党の擁立を促していた。知事選、都議選とブームの延長に大連合を構想しないはずがない。その小沢が希望の党との合流を示唆した。さすが産経だけあって紛らわしい表現だ。
自由党の小沢、希望の党と「合流」方針示す(産経ニュース9/28)
http://www.sankei.com/politics/news/170928/plt1709280147-n1.html
小沢氏も希望合流へ…前原・小池氏と大筋合意かYOMIURI
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news1/20170928-OYT1T50058.html
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前原が「排除されない」と言った翌日の29日に、小池が「排除の論理」を公言したことで民進党のリベラル派は衝撃を受け、騙されたと思ったに違いない。それだけでなく希望の党の「踏み絵」協定書の最終案は10月2日に判明したが、その前に批判を浴びて修正する前の案がすでに流出しており、希望への合流を望まない者には民進党の公認をするよう前原に迫ったが、前原に拒絶されてしまった。小池の「排除いたします」の一言でこれほど女が廃るとは、このときは誰も想像できなかったのではないだろうか。
小池百合子 排除発言 【記者会見】9/29
https://www.youtube.com/watch?v=4sGjxKrCNWQ
「排除します!」──その①_a0280432_17573948.jpg10月2日に、百人以上の報道陣が詰め掛けた東京都内のホテル。枝野幸男はやや高揚した声で「『希望の党』の理念や政策は私たちと異なる」「安倍晋三首相の掲げる九条改憲は許されない」と語った。
立憲民主党結党会見詳報 「安倍政権の暴走に歯止めを」(毎日新聞10/2)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171002/mog/00m/010/001000c
ここで小沢一郎はその後どうなったのかもう一度追ってみたい。以前はフェイクニュースが多かったが最近はそうではなくなってきたと評判の「板垣英憲 情報局」によれば、小池は「選挙の神様」と言われている小沢が「幹事長ポスト」を要求したのに対して、「重要ポストは用意できません。大きなことを言って、余り引っかき回さないでください」と冷たく突っぱねたという。そして選挙投票日から3週間ほど後の定例記者会見でわかってきたのは、希望の党の代表を辞任した小池百合子について「一瞬の夢みたいな話で、とくに感想はありません」と突き放し、「安保法制と憲法改正、この二つを認めろという踏み絵を踏ませたり、リベラルは排除する、そう言う政治姿勢だと、安倍政権と変わらない。「排除します!」──その①_a0280432_1815448.jpgそれでは希望の党を含めた野党再編は不可能だ」と小沢は語る。小沢の側近は、小沢は極秘裏に小池や前原と接触し、衆院選で野党結集を目指した。しかし、小池が民進党のリベラル派議員を排除することを知り、「小池はバカだ!共産党を含めた野党結集なしに自民党に勝てるわけがない」と激怒したと明かした。
小池は小沢の「幹事長ポスト」要求を……(板垣英憲10/21)
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/f08def80292b9c3dff7b3adcbb579f27
小沢一郎代表・山本太郎代表 共同定例記者会見11/14
https://www.youtube.com/watch?v=MPf3GPXLUJ4
「どうせ希望の代表もすぐ辞める」予測していた小沢(東スポ11/15)
https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/829111/
小池に騙された小沢の怒りが伝わってくる。この頃には前原のリベラル派への裏切りも当然知るところとなっていただろうし、「小池と前原が共産党と協力していれば勝てた」と悔しがる小沢の甘さと焦りが露呈してもいる。選挙後に、前原は希望の党への合流に踏み切った判断について「民進党のまま戦ったらもっとひどい結果になっていた。一貫してこの判断しかなかったと思っている」(11/16)と強調したが、もしこれが嘘や詭弁でなければ、小沢が主張していた野党3党によるオリーブの木プラス共産党の協力という野党共闘はまったく眼中になかったということだ。
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ここで身内からの前原誠司に対する発言を「デイリー新潮」11/9神帰月増大号掲載から引用する。
「排除します!」──その①_a0280432_1842088.jpg「死者に鞭打つようではありますが、前原さんは万死に値します」真正面からこう憤懣を爆発させるのは、元TBSキャスターで「置いてきぼり」にされた民進党の杉尾秀哉参院議員(60)だ。「そもそも前原さんは、希望の党との事実上の合流を決定した9月28日の両院議員総会で、民進党の候補者を全員連れて行き排除はしない、政策も自分が責任を持って小池さんと協議すると言っていたのに、ことごとく嘘でした。この政治責任はあまりにも重い」そして、そんな前原氏の「本質」をこう斬る。「産経新聞のお決まりのフレーズみたいですが、やっぱり彼は『言うだけ番長』だったということになるのかもしれない。政策についても候補者についても、もっと詰めてから動くべきでした。民主党時代から約20年積み上げてきたものが、ひとりの人によって一瞬にして破壊されてしまったんです。前原さんはなぜすぐに代表を辞めなかったのか。彼が居座った分だけ、党の形が決まらず、民進党の再生は遅れ、地方の組織も動揺した。再来年の参院選に向けた候補者選びだってままならないし、立憲民主党に有権者の支持も候補者も流れていった」
「排除します!」──その①_a0280432_18195287.jpgその万死に値する前原氏の責任について、元民進党のある落選議員は物騒な言い回しでこう断罪する。「偽メール事件の時、彼は同僚議員を死へと追い込む結果を招いてしまいましたが、今回、前原さんは100名以上の同志を政治的に殺したんです」。杉尾氏同様、置いてきぼり組である民進党の小西洋之参院議員(45)は、前原氏の「辞め逃げ」を認めない。杉尾氏と同じく、「前原さんが両院議員総会で約束したこととは、まるで話が違った。これは許されない行為です」とした上で、「したがって、前原さんが民進党の代表を辞めて済む話ではない。なぜなら、彼は両院議員総会での議決を超えた行動を取ったわけで、党規違反であり反党行為にあたるからです。組織のルールに違反したのですから、普通の会社であればクビであり、除籍処分、党籍剥奪となって然るべき。結局、前原さんは民進党代表として選挙を勝ち抜く自信がなく、独自のマニフェストで戦う気概と能力がなかったのです」
「排除します!」──その①_a0280432_18211332.jpgこうして、名前に反して「後ろ指」をさされまくる前原氏の、かつての片腕と言えば、今では立憲民主党の幹事長の座に収まっている福山哲郎参院議員(55)だ。彼と前原氏はともに凌雲会(前原グループ)に所属し、地盤も同じ京都。その昔、「保守的な前原さんとリベラル的な私が一緒にいることが凌雲会、民進党の強み」と言って憚(はばか)らなかった福山氏は、「排除します!」──その①_a0280432_18231590.jpg今こう突き放す。「もう過去のことですし、違う政党の人間ですから」前原氏への痛烈な「別れの言葉」である。また、やはり凌雲会メンバーだった、今は希望の党の小川淳也代議士(46)も、「前原さんの選択は、正道、王道とは言えなかったと思います。野党同士が潰し合い、考え得るなかで最悪の過程を辿りましたからね。小池さんに騙されたというか、まあ短期間に大それた決断をしてはいけないということでしょうね」と、先輩である前原氏に「説教」。希望の党はごめんこうむると、「排除します!」──その①_a0280432_18251647.jpg自ら無所属の道を選んだ篠原孝代議士(69)の言葉を借りれば、とどのつまりこういうことになる。「前原さんは、やられっぱなしだったってことでしょう。信じ難いですよ」ちなみに、彼らが思いの丈を吐いたのはいずれも日中のことであり、アルコールは入っていない。恨みの深さがひしひしと伝わってくる。
引用終わり
“党籍剥奪でしかるべき”“考え得るなかで最悪”(デイリー新潮11/9)
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/11130801/?all=1&page=3
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「排除します」──その②へ
http://zproject.exblog.jp/238065173/
  
  
    
by z-project-inc | 2017-12-09 18:29 | Comments(0)
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